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和船は、松材、杉、檜、欅、樫など多くの木材で造られています。南知多地域には江戸時代末期から明治期にかけての内海船に関する資料が数多く残されており、南知多町でも、内田佐七家の持ち船の部材を始め町内に残されていた様々な種類の船材、船道具資料を所蔵しています。
これらの資料は日本の廻船史上貴重な資料とされ、中には、本町にしか残っていない資料もあります。
1 帆摺管(ほずりくだ)
帆柱の上部と船首の水押とをつなぐ帆綱が帆と触れ合って互いを傷つけないようにするために、綱の上部の方につけられる数珠玉のような形をした木製の管で、材質は桐です。
2 帆桁 (ほげた)
帆の上端につけて、帆柱に吊るすことにより帆を張った用材。本町には、内田佐七家の約500石積み程度の持ち船に使用されていたと考えられる帆桁の実物が残されており、国内では唯一の資料と言われています。この資料は、長さが約14mあり、材質は杉です。帆に使用したのは「松右衛門帆」と呼ばれる木綿帆で、天明年間(1781~1789)に播磨国(現在の兵庫県)の工楽松右衛門(くらくまつえもん)によって開発された織り帆です。
3 打廻し (うちまわし)
帆桁を上げ下ろしするときに、帆桁が帆柱に沿って円滑に上下するように帆桁と帆柱をつなぐ役割を果たす部材。一般に樫の木の小片を簾状に編み連ね、その両端の紐を、編み状に編み連ねた樫の小片が帆柱の後ろ側に来るように輪状に回して帆桁に取り付けました。
4 上貫木 (うわかんぬき)
船首の五尺部の最上部縁材の上に取り付ける部材で、碇を載せたり、碇綱を繋ぎ止めるのに使ったもの。多くは堅い樫材で作られました。内田佐七家には、「正福丸入用木」の墨書があるものが残されています。碇は、「四爪碇(よつづめいかり)」と呼ばれるもので、鉄の角棒の先端を四つ割りにして四方に曲げて爪を作ったためこの名で呼ばれ、船の大きさによってその使用数などは異なっていました。
5 轆轤(ろくろ)
船の後部の居住区である屋(矢)倉の中に二組装備され、帆の上げ下げ、伝馬船や碇の積み卸しなど重量物の取り扱いに使用したもの。帆桁や伝馬船、碇に取り付けられた綱は帆柱上端の蝉(滑車)を通り、船尾の艫滑車(とびくるま、飛蝉(とびせみ)ともいう)を介して轆轤(ろくろ)で巻き取られる仕組みになっていました。轆轤が船内に設置され、弁才船の乗組員の作業効率が格段に向上したと考えられています。